toggle
2016-04-05

Irish Coffee (アイリシュコーヒー)

スクリーンショット 2016-03-18 18.46.05

アイリシュコーヒーという名のウイスキーベースのホットカクテル。

今から時を遡る1942年、アメリカ・イギリス間の大西洋横断の航路の際、給油のためにたちよったアイルランドの水上飛行場「フォインズ飛行場」で考案された。
暖かいコーヒーと、ウイスキーで、体を温めるために考案されたため、とてもシンプルな材料でできるカクテルだ。

コーヒー、ウイスキー、生クリームと砂糖を、それぞれグラスに注ぐだけだが、作ってみると、その実、なかなかむつかしい。

一つは、生クリームの状態である。
カクテルだけあって、やっぱり見た目は大切。グラスに注ぎぐため、コーヒーのダークカラーと、生クリームのホワイトカラーの「コントラスト」をしっかりとさせたくなるのだ。
それでいて、生クリームから想像される「しっとりとした、なめらかな質感」も持たせたい。
グラスを方向けた際、上部に浮かぶ生クリームとその下にあるコーヒーウイスキーが、同じように口の中に流れ込んで来るときの何ともいえない感じは、いつものカフェオーレやカプチーノとは全く異なる感じとなるのだ。

二つ目は、コーヒーとウイスキーとの風味バランス。
シンプルなだけに、良くも悪くも素材の風味特性が表れやすい。一般的には、コーヒー:ウイスキーは、5:1くらい。

DSC07624

今は、コーヒーも単なる苦みの強さだけでない魅力が認められて来ている。
そうするとウイスキーの選択は、やはりコーヒーのキャラクターにより合わせるのがよい。

どんなコーヒーにしようかと、いろいろと試みてみると、ここでおもしろいことに気づく。
コーヒーの強い苦みのキャラクターは、40度強のウイスキーのアルコールの強さに負けないが、苦み特性でないコーヒーの風味だけでは、ウイスキーの強さにいとも簡単に負けてしまうのだ。

ここで、重要なことは、しっかりとしたコーヒー感を感じるコーヒーを用意することである。
立体感を感じさせる味のバランス、奥行きを感じさせる質感などである。ウイスキーの強さに負けない要素があって初めて、コーヒーの風味が活かせるといえる。

シンプルなだけに、「バランス」の善し悪しが感じやすく、それがゆえに、なかなか満足にとどきにくいのが、アイリッシュコーヒーの魅力の一つなのかもしれない。

カフェボンタイン、カッピングルーム各店舗にて、アイリシュコーヒーを販売していきます。本格的なアイリシュコーヒーを始め、フレーバードアイリシュ、アイスアイリシュ、ノンアルコールアイリシュも順次始めてゆきます。是非、お楽しみに。

今回使うアイリシュウイスキーは、「ブシュミルズ」アイルランドの蒸留所でもっとも古い歴史をもつ老舗。コーヒーと合わせるとウイスキーの甘さが引き立つ逸品です。

関連記事